私の夫は普通ですか?

結婚して幸せなはずの結婚生活が…異星人の夫に悩む妻のブログ

霊能者さんと言っていいのか。

普段はお花屋さんをしている、修行された方がいて、友達の紹介で何度かみてもらった事があった。

 

私は子供が出来ても流れやすく3回、流産していたので、その子たちの供養の仕方も教えてもらっていた。

 

霊能者さんにウチに来てもらう日が来た。

長男は家にいて来る事を伝えていたが「そんなんで俺が学校に行くようになると思うなよ」と鼻で笑っていた。

 

霊能者さんはウチの中をクルッと見回して、私と長男をジッと見ていたが黙って「始めようか」と神棚に向かって拝み出した。

 

ご祈祷が終わって長男と話してくれていたが「大丈夫だね。何も無い」

「学校はなんで行かないの?」と聞いていた。

長男は「行っても無駄だから」と答えていたが

諭すように話してくれたお陰で最後は素直に話しを聞いていた。

「明日から行く」と答えていて奇跡を見てるようだった。

 

長男が部屋に戻りお茶を出していると「あの子は甘えてるだけだよ。大丈夫。それよりあんたの方が心配だね。疲れきってるだろう。ゆっくり休まないといけないよ」と言ってくれ張りつめてた神経が緩んで泣いてしまった。

 

お前のせいだと夫と子供に言われ自分を責めていた事や、長男に振り回されヘトヘトになっていた私は疲れきっていたのだ。

 

驚いた事に次の日から長男は学校に行くようになった。

休みがちではあったけど、受験に気持ちも向かうようになったのを見て安堵した。

 

本当に奇跡を見ているようだった。

 

その頃の私は信じていた。

子供達が育った懐かしい場所に帰ったら、きっとまた昔のあの子に戻ってくれると。

 

東京に転校した頃は戻りたいと何度も言っていたのに、あんなに切望していた幼なじみ達のいる学校に戻ったのに長男のサボり癖は治らなかった。

 

元いた学校へ戻って2日目、学校から長男が居なくなったと連絡が入った。

家には戻ってない。

先生と近くを探してまわったが見つからなかった。

学校で何かあった訳ではなく昼ご飯を食べた後から居なくなったという事だった。

 

夕方になり帰ってきた長男が「もう学校行かない。中学は辞める」と言い出した。

理由を聞いても「行っても無駄だから」と言うだけで埒が明かない。

 

私が幾ら話しても聞く耳を持たず当たり散らす長男に困った私は、あの人のお兄さんに説得をお願いする事にした。

理由を説明し、何とか学校に戻るよう説得して欲しいとお願いした。

 

車で1時間半ほどかけて連れて行き長男と義兄で話しをしてくれたが、長男のいつものやり口で親が仲が悪い事で子供が苦労をするという語り口にまんまとハマり、自分に同情をさせる方向へ話をもっていったようだ。

 

結局、長男の気持ちは変わらずしばらく学校を休んでいた。

困っていた時、友達にあの人にお願いしてみたら?と言われ思い出した。

懇意にしていた霊能者さん。

 

事情を話し家に来てもらう事にした。

長男の怒った時の豹変ぶりが悪いモノでもツイてるんじゃないかと思うほどだったので見てもらおうと思ったのだ。

 

縋れるものなら神でも仏でも何にでも縋りたかった。

A君がウチで一時間くらい待っていたが、長男は連絡しても通じず、帰っても来なかった。

あの人に探しに行ってもらい、私とA君と少しの間待っていたが、A君のお父さんから帰っくるように言われて帰っていった。

 

私はぐったりと疲れ、長男が戻るのを待った。

あの人はどこを探したのか、1人で戻ってきて

部屋にこもってしまった。

 

夜になり長男が帰ってきたが、部屋に入ってしまい話しをすることは出来なかった。

 

私はあの人に長男を連れて、A君の家に謝りに行って欲しいと頼んだ。

私ではダメだ

父親が自分の前で頭を下がる事が大事だ。

長男にも謝らせて欲しいと。

 

ところが、あの人はこう言った

 

どうせ転校させるんだから良いだろう。

俺は行かない。

謝りたいならお前が行け。

お前が一人で育てた結果だろうと…

 

 

もうダメだ

何度も思ったけど今度こそもうダメだ

心底怒ると、心が冷たく静かな氷のような怒りが込み上がってくるのだと知った。

 

長男を謝らせたかったけど、私では制止が効かないのが目に見えていたため、1人で菓子折りを持って謝りにいった。

 

A君のお母さんは笑いながら、大丈夫だと言った。

衝動的にカミソリを握って手首に当ててしまったのよ、子供達に心配かけてしまった。

恥ずかしい、と。

 

私は手首に巻いた包帯を見つめながら、父親が来れなかった事と子供が迷惑をかけた事を詫びた。

A君のお母さんは私を責める事はなく、引越してもお元気で…と言った。

 

申し訳なくて何度も謝った。

 

夜にAに長男に電話をさせるから。

自分の気持ちをハッキリ伝えるように主人が叱ってたから。

Aもハッキリ言えないでいたのが悪かったの。

 

長男は部屋に籠っていたが、翌朝ケロっとして起きてきた。

 

もうA君の家に行かないようにと伝えると、分かってるとだけ言った。

 

それからはあっという間に引越しの日になった。

 

やっと楽になる

そう思ったのだが…

 

それからも問題はやってくるのだった

 

 

 

夏休みも終盤に差しかかり、転校まであと一週間となったある日、事件が起こった。

 

私は荷造りと手続きに追われ慌しい日々を送っていた。

ここ数日 長男はA君の事を忘れてしまったかのようにA君宅に近づかなくなっていた。

他の友達と遊んでるようで東京最後の夏を楽しんでいるように見えた。

 

忙しいのもあって正直A君の事を心配しなくて良いのは有り難かった。

 

ある日、少しゆっくりしていたお昼過ぎにピンポンとベルが鳴った。

玄関を開けるとA君が立っていた。

 

顔がこわばっていて緊張しているのが分かる。

「〇〇〔長男)はいますか?」

いない事を告げると、上がって待たせてくださいと言う。

私は何かあったんだと悟り胸がザワザワとするのを感じた。

 

いいけど、お母さん達がダメって言うんじゃないかな。大丈夫?

という私に「大丈夫です、〇〇の所に行ってくると親にも言ってきたから」

と硬い表情で言うA君。

 

とりあえずテーブルに座って話しを聞く事にした。

あの人も家に居たので、一緒に席に着く。

 

何があったの?

「お父さんから今日〇〇と話して来いって言われたんです。もう〇〇の事も嫌いだってハッキリ言って来いって、自分に関わらないでくれって。」

A君は大人しい優しい子で長男をハッキリ拒絶出来なかったようで、それもいけないのだろうとお父さんから言われていたようだった。

 

それでも中々本人を目の前にすると言うことが出来ずズルズルと今日まできていたようだ。

 

うん。それで?

「今日、家に居たら友達が遊ぼうってきたんだ。でも、外に出てみたら〇〇がいて…その友達はどっか行っちゃって。どうしようかと思ったけど、仕方なく家の近所のベンチで話してたら、それをお母さんが見て。家に連れ戻されたんだけど〇〇が話しが途中だってついてきて。

お母さん、すごく怒って。

家で自分の手首をカッターで…」

と話しながら途中で泣き出してしまった。

 

私はA君の背中をさすりながら、あの人を睨みつけた。

見なさい。これがあの子を止められなかった私達の責任よ。

 

「俺、〇〇に会って話すまで家に戻れないんです。お父さんにそう言われて」

泣きながらそう言うA君に私は謝る事しか出来なかった。

ごめんなさい。本当にごめんなさい。

お母さんは大丈夫なの?

 

「お母さんは大丈夫。傷もちょっとで、血もそんなに出てなかったんだけど、とにかく精神的に参ってて。」

傷が浅いと聞いてひとまず安心、だがそんな問題では無い。

 

あの人は何も言わず黙っていた。

私はあの人に長男を探してくるように伝え、A君のお母さんに電話をした。

 

 

 

 

中学3年になった長男は勉強もせず、塾もサボりまくりで当然成績は低空飛行だったが、進学を考える時期になっていった。

 

相変わらず興味の対象はA君一択で、A君の両親と私は頭を抱える日々を送っていた。

A君と一緒の高校に行きたい長男と、離れたいA君親子。

何もしてくれない父親。

 

このままではダメだと思った私は覚悟を決めた。

あの人を残して、子供達を連れて田舎へ戻る事にしたのだ。

転校させよう。

そう決めた。

 

夏休みの途中で、元に住んでた土地に戻ろう。

元の場所なら高校も決めやすいし、子供達も幼馴染がいる。

 

子供達に話すとやっと馴染んできたのにと少し寂しそうではあったが、懐かしい場所に戻る事は嬉しいようだった。

 

A君のお母さんにも伝えると心の底から安心したようだった。

高校までも付き纏われるんじゃないかと心配していたようだったから。

私も味方が居ない状況からやっと抜け出せると思うとホッとしていた。

 

昔のあの子に戻ってくれるんじゃないか、また楽しく子供達と過ごせるかもしれない。そう思った。

 

長男も昔の友人に会えるのは嬉しそうで少し楽しみにしているようだった。

長男もだいぶ落ち着いてきて、A君以外の友達と夏休み遊ぶ事が増えてきて私達親同士も安心していた。

 

これで八方良しだと思っていたのだが、やはり

それで終わる訳がなかった。

夏休みの終わり、引っ越しの約一週間前ある事件が起こった。

 

 

父親から注意をされない長男は、家で暴力を振るっても止める人がいない為どんどん横暴になっていった。

 

長男にとって父親が代表取締役をしているという事が、まるで自分のステイタスのように自慢であるようで友達に自慢していたようだ。

それは自分に自慢するものが無いという自信の無さからくるものであろうが。

自分のプライドをそうやって保っていたのだろう。

 

A君のお父さんからも「旦那さんは社長なんだろう?子供1人抑えられないで会社なんか運営出来るの?」と前に言われた事があった。

それを聞いて長男は父親の事を周囲に言っているのだなとわかった。

 

私からすれば、子供に父親らしく注意も出来ず良い顔をして問題から逃げているズルい人であったが、男の子からしたらそういう風に思うものなのだなと溜息をついたものだった。

 

長男はあるエネルギードリンクを好んで飲んでいたが、私はそれをなるべく飲ませたかなかった。

何故ならそれを飲むと寝れないようで次の日の学校を行き渋っていたからだ。

なので、夜に飲まずにせめて夕方に飲むように言っていたのだが、必ずお風呂上がりに飲みたがった。

 

2日くらいズル休みが続いた夜に私は長男が買ってきていたエネルギードリンクを隠した。

朝に出してあげるからと説明して、ジュースで我慢するように言った。

 

それに怒り狂った長男は「出せ」と執拗に付き纏った。

あまりにしつこいので渡したが、一度ついた怒りが消えず、その後も嫌がらせをしてきた。

 

寝ている私の頭にエネルギードリンクをかけてきたり、扇風機を私の頭にわざと倒してきたり、「死ね」「お前なんか生きてる価値が無いんだよ」「そこから飛び降りろ」など聞くに耐えない言葉で私を責め立て寝せなかった。

 

肩をどついたりされ、暴力を止めるように言うと「殴ってないだろうが。クソが。」と殴らなければ暴力では無いと思っているようで、それは間違いだと説明しても馬鹿にしたような顔で私をわざと突き倒してきた。

 

私が大きな声で止めるように言った事で更に大声で反論する長男。

あまりに大声でわめき散らすため、あの人が起きてきた。

長男をなだめるように背中をさすり、「こんな夜中にやめとけ。こんな奴に何言っても無駄だろ。お前の損になるだけだろうが」

そう言いながらあの人の部屋に2人で入っていった。

 

少しして長男が部屋から出てきたが、私を見て「お父さんがキチガイは相手にするなって言ってたよ。お前は頭がおかしいからって」

嘲笑うように言って部屋に入っていった。

 

ダメだ。

あの子はあの人に洗脳されてしまっている。

私はどうすればいいのか分からなかった。

去年まであんなに仲が良かったのに。

どうしてこんなになってしまったんだろう。

一つだけ去年と違う事があるならば、あの人が取締役になり家にいるようになった事だった。

それまで週に半分もいなかったし、子供達と接する事がなかったのに。

 

あの人がしてきた異常な行動を子供に話す事は出来ない。

父親が生理用ナプキンを、しかも使用済みの。

会社のトイレから盗み持ち歩いていた事があるなんて、言えない。

なのに、私が頭がおかしいとあの人は子供に言う親なんだというジレンマに本当に頭がおかしくなりそうだった。

 

 

 

 

中学三年生という受験を控えた時期だというのに長男は勉強を全くしなくなっていき、成績は急降下していった。

本人はさして気にして無いようであったが私はヤキモキする日が続いていた。

 

塾の先生からは地頭は良いのに勿体ないと本人に言ってくれていたようだが、そんな大人の声は全く無視して相変わらずA君に執着し続けていった。

 

最初は父親から話しをして欲しいと願っていたA君のご両親だったが、あの人のあまりの出て来なさに呆れたのか、いつのまにかそれも言わなくなっていた。

変わりに私への電話での報告は長男がA君に接触する度にかかったきていた。

 

そんなある日、A君の家のマンションの小学生を長男が脅してオートロックを開けて中に入った事があり苦情が入ったとA君のお母さんから電話があった。

他にもどこからか侵入した長男がA君の兄弟に接触し、A君に会わせてと付き纏い困っている事や他にも色々迷惑している事など告げられた。

 

「お父さんから厳しく叱って欲しい」と頼まれたが、私からあの人には全て話した上で話しをしてくれと何度も言っている。でも叱るどころか、笑いながら部屋から出てくる2人の姿しか見られなかった為私も途方にくれていた。

 

困った私はあの人がいる時間に直接家の電話にかけて欲しいと伝えた。

A君のお母さんから直接話しをしてもらえば少しは危機感を感じてくれるのかもしれない、そう思ったのだ。

 

あの人が帰宅し食事をとっている時に、私はA君のお母さんに帰宅している事を伝えた。

 

すぐにA君のお母さんから電話がかかり、あの人へ繋いだ。

あの人は私をチラッと見ながら渋々電話に出た。

「はい。〇〇の父です。」

「はい、はい。…」

面倒くさそうに相槌をうつ。

「それは、ウチの子だけが悪いって言ってるんですかね。」

「本当にお宅の子は何も悪くないと」

「注意はしますよ。そうして欲しいならね。」

機嫌が悪そうにそう言って電話を切った。

切るなり私を見て信じられない事を言ってきた。

「お前が仕組んだのか」

 

?意味が分からずポカンとしている私にあの人は続けた。

「お前が(A君のお母さんと話す機会を)この電話を仕組んだのかって聞いてるんだよ」

 

頭の中が真っ白になった。

この人には父親として他人に迷惑をかけている我が子をどうにかしようとする気持ちは無いのか。

この人は今、明らかに私に怒っている。

それはA君の親御さんと話したくなかったという事だ。

一瞬でそこまで悟り、頭に血がのぼった。

 

この人は親としての責任をどう捉えているのだろうか。

そもそもあの電話は何?

もうA君への付き纏いが始まって何ヶ月も経った。

A君のお母さん達がいかに迷惑しているか、全部伝えているのに、何も理解してないの?

 

この人とは理解し合えない。

心の底から感じた。

マグマのようなドロドロしたものが、私の心の奥底から湧き上がり全身を包んだのを感じた。